矢崎総業の「Innovation Hub – REN(錬)」公開、ヒューマノイドとフィジカルAIで工場改革を加速
公開日:2026年7月27日

矢崎総業の「Innovation Hub – REN(錬)」公開、ヒューマノイドとフィジカルAIで工場改革を加速

矢崎総業の「Innovation Hub – REN(錬)」公開、ヒューマノイドとフィジカルAIで工場改革を加速

3行解説

  • 矢崎総業が静岡県裾野市のY-CITYで「Innovation Hub – REN(錬)」を公開しました。
  • ヒューマノイド実証、熟練作業の記録、遠隔操作、在庫最適化を同時に進めます。
  • 2029年に向け、データを軸にしたスマートファクトリー化を目指しています。

矢崎総業の「REN」で何を試しているのか

2026年7月22日、矢崎総業グループは静岡県裾野市の研究開発・管理拠点「Y-CITY」で、新拠点「Innovation Hub – REN(錬)」を公開しました。会場では、ヒューマノイドロボットの検証や、作業者の動きを記録する仕組み、遠隔操作のデモ、在庫最適化の取り組みが紹介されました。

同社は、自動車用ワイヤーハーネスの製造を支える現場を持ち、2029年に向けてデータドリブンなスマートファクトリーへ変える方針です。現時点では、ピッキング、部品セット、設備との連携など、単純で繰り返しの多い作業から実証を始めています。熟練技能のように、状況を見て細かく動きを変える作業は、まだロボットだけでは難しいとしています。

そのため、現役の熟練技能者の動作をカメラやセンサーで記録し、「熟練データ」としてためています。遠隔操作のデモでは、端子圧着工程でロボットが止まった場面を想定し、通信端末とゲーム用コントローラーで現場外から復旧やティーチングを行いました。さらに、首や肩、肘の動きをAIで追い、身体への負担を数値化する仕組みも検証しています。FACTORY Xとの協業では、在庫戦略モデルを使った在庫最適化や、ISData Platformによるデータ管理も進めています。

「人の強さ」を残しながら自動化を進める意味

今回の「Innovation Hub – REN(錬)」で目立つのは、矢崎総業がロボットを人の代わりではなく、人の技を残すための道具として置いている点です。特に、ワイヤーハーネスのように作業のばらつきが大きい現場では、いきなり全面自動化を狙うより、まずは単純作業をロボットに任せ、熟練者の動きをデータとして残す進め方が現実的です。

また、遠隔操作や身体負荷の見える化は、工場で働く人の条件を広げる意味もあります。現場に行けない人でも仕事に関われるなら、採用や配置の考え方も変わります。矢崎総業のように、製造・在庫・人の動きを一体で見直す流れは、部品点数が多い組立現場や、技能者の確保が難しい工場ほど参考になりそうです。

RENが示す、工場DXの進め方

項目矢崎総業の現在地2029年に向けた狙い
自動化の対象単純・反復作業から開始熟練作業へ拡大
データの扱い熟練動作を記録・蓄積技能再現の基盤に活用
現場支援遠隔操作や負荷可視化を検証人に優しい工場へ発展
管理手法FACTORY Xと在庫最適化計画と運用を柔軟化

矢崎総業の事例は、ヒューマノイドやフィジカルAIを「置き換え」ではなく「現場の力を伸ばす道具」として使う考え方を示しています。こうした動きは業界全体で広がっており、自社の工程に合う形を見極める視点が欠かせません。

ロボット導入・自動化をご検討の方へ

「自社にはどんなロボットが合うのか」お悩みではありませんか。貴社の現場課題に合わせた最適な活用方法をご提案します。まずはご相談・資料請求からお気軽にどうぞ。

出典: ロボスタ