KEENON W3、慈恵医大柏病院で年間330時間削減 院内搬送の省力化を実証

3行解説
- DFA Roboticsが2026年8月4日、KEENON W3の病院導入事例を公開しました。
- 慈恵医大柏病院では、検体や薬剤の搬送をロボットが担い、年間330時間超を削減しました。
- 職員の約9割が、本来業務に使える時間が増えたと答えています。
ニュースの概要
2026年8月4日、株式会社DFA Roboticsは、搬送ロボット「KEENON W3」を導入した東京慈恵会医科大学附属柏病院の1年間の運用実績をまとめた事例を公開しました。KEENON W3は、院内で「キャリー」という愛称で呼ばれています。
このロボットは、救急室や病棟から中央検査室への検体搬送、内科外来から中央検査室への検体搬送、薬剤部から外来化学療法室への抗がん剤搬送の3ルートで使われています。内科外来から中央検査室のルートでは、1日4〜9回の利用で約20分40秒〜64分30秒の工数削減が確認されました。薬剤部と外来化学療法室のルートでは、1日5〜15回の利用で約45分30秒〜107分30秒の削減効果が出ています。
慈恵医大柏病院は664床を持ち、1日1,300人以上の外来患者を受け入れる中核病院です。築40年の施設には気送管システムがなく、検体や薬剤は職員が歩いて運んでいました。その移動に1日1〜3時間かかっていたため、看護師や看護補助者の負担が課題でした。職員向けアンケートでは、約9割が移動負担の軽減を、約7割が精神的・身体的負担の軽減を感じたと答えています。
慈恵医大柏病院の事例が示す、院内搬送の現実
今回の事例で目を引くのは、KEENON W3が「人の仕事を全部置き換える」ロボットではなく、移動だけを切り出して任せている点です。病院では、検体や薬剤を運ぶ時間そのものが積み重なりやすく、短い移動でも回数が多いと大きな負担になります。そこをロボットに任せると、看護師や看護補助者は患者対応や確認作業に時間を回しやすくなります。
特に、664床の病院で1日1,300人以上の外来がある環境では、搬送の遅れが別の業務にも波及しやすいです。KEENON W3のような搬送ロボットは、派手な動きよりも、毎日の小さな移動を安定して減らすことに価値があります。だからこそ、導入の成否は「何を運ぶか」だけでなく、「どのルートを何回走るか」を細かく見極めることにかかっています。
【活用イメージ】KEENON W3が向くのはどんな現場か
KEENON W3のような搬送ロボットは、病院の中でも検体、薬剤、書類のように、決まった場所を何度も行き来する業務と相性がよいです。人が歩いて運ぶ時間を減らせるため、外来、検査室、薬剤部のようにフロアをまたぐ移動が多い現場で使いやすいでしょう。
今回の慈恵医大柏病院のように、築年数が古くて気送管がない施設でも、後付けで導入しやすいのが強みです。院内搬送の見直しは、単なる省人化ではなく、限られた人員を患者対応へ戻すための手段として考えると、導入の意味が見えやすくなります。
病院のように、限られた人員で移動の多い業務を回す現場では、搬送の自動化が負担軽減の手がかりになります。こうした事例は、業界全体で院内搬送の見直しが進んでいることを示しています。
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出典: ロボスタ


