グリッドとJALエンジニアリング、運航整備の配員計画を自動化へ 熟練依存を減らす本開発開始

3行解説
- グリッドとJALエンジニアリングが、配員計画の本開発を始めました。
- 数理最適化で、資格や勤務条件を踏まえた案を自動作成します。
- 2027年夏頃の本番稼働を目指し、実証実験では有用性を確認しました。
グリッドとJALエンジニアリングが始めた配員計画の自動化
2026年7月30日、株式会社グリッドは、JALグループの整備業務を担う株式会社JALエンジニアリング(JALEC)と、運航整備における配員計画を支えるシステムの本開発を始めたと発表しました。2027年夏頃の本番稼働を目指します。
この計画は、航空会社ごとや機種ごとに異なる資格を持つ整備士を、どの便のどの作業に入れるかを決める仕事です。到着から出発までの短い時間に点検や整備を終える必要があり、勤務シフト、駐機スポット、運航ダイヤの乱れなども同時に考えなければなりません。年次の配員・資格取得計画、月次のシフト作成、日次の当日配員や直前変更対応まで、複数の時間軸をまたぐのが特徴です。
両社は2025年度から一部空港で実証実験を行い、グリッドの最適化技術とJALECの配員計画の知見を組み合わせました。その結果、機種資格、運航ダイヤ、勤務制約を踏まえた最適な配員計画を自動で作る機能の有用性を確認したとしています。グリッドCTOの梅田龍介氏は、こうした複雑な計画業務に数理最適化が役立つと述べています。
熟練者の頭の中にあった判断を、どう仕組みに変えるか
今回のポイントは、単に人手を減らすことではありません。JALECのように、資格の組み合わせが多く、変更も多い現場では、担当者の経験がそのまま計画の質に直結します。ここを数理最適化で支えると、短時間で候補を出せるだけでなく、再計画の速さも上がります。
特に効きそうなのは、ダイヤ変更が起きやすい空港運用です。人が一つずつ条件を見直すと時間がかかりますが、システムが候補を絞れば、担当者は例外対応や最終判断に集中できます。航空整備のような現場では、こうした「考える仕事」と「組み合わせる仕事」を分けることが、安定運用の近道になります。
ただし、こうした仕組みは一気に全体へ入れるより、空港や業務範囲を区切って精度を確かめる進め方が向いています。条件が多い現場ほど、最初にどこまで自動化し、どこを人が見るかを決める設計が欠かせません。
配員計画の自動化で現場はどう変わる?
配員計画の自動化は、航空整備のような高い制約がある現場で特に力を発揮します。資格、勤務、ダイヤの3つを同時に見ながら案を出せるため、月次計画だけでなく、当日の急な変更にも対応しやすくなります。人の経験を置き換えるというより、経験を再現しやすい形にして、引き継ぎや標準化を進める動きといえます。
こうした仕組みは、航空業界だけでなく、条件が多い物流や保守の現場にも通じます。どの業界でも、最初から大規模導入を目指すより、まずは一部工程で効果を見てから広げる進め方が現実的です。計画業務の自動化は、現場の人を減らす話ではなく、限られた人材をより難しい判断に回すための土台づくりです。
航空整備のように、複雑な条件を整理して最適な計画を作る仕組みは、現場全体の生産性を左右します。こうした業務の自動化が進むほど、各社は自分たちの現場に合う進め方を見極める必要があります。
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出典: ロボスタ


