Unitree CEOが示す「80%×80%」の壁、ヒューマノイド普及は最短2~3年先
公開日:2026年8月22日 最終更新日:2026年9月17日

Unitree CEOが示す「80%×80%」の壁、ヒューマノイド普及は最短2~3年先

Unitree CEOが示す「80%×80%」の壁、ヒューマノイド普及は最短2~3年先

3行解説

  • Unitreeの王興興氏が、WRC2026でヒューマノイドの普及時期を語りました。
  • 未知環境の80%で80%の仕事をこなす状態を、転換点の目安に挙げました。
  • 会議室の片付けや言語指示での把持など、実験内容も紹介されました。

WRC2026で語られたUnitreeのヒューマノイド戦略

2026年8月20日、Unitree Roboticsの創業者で董事長の王興興氏は、北京で開かれた「2026世界机器人大会(World Robot Conference 2026)」のメインフォーラムに登壇し、ヒューマノイドの今後について講演しました。テーマは「展示品から製品へ:ヒューマノイドロボット産業の次の10年」です。

王氏が繰り返し示したのは、今のヒューマノイドが抱える「汎化能力」の弱さです。汎化能力とは、見たことのない物や場所でも、うまく対応する力のことです。固定した環境では動けても、対象物や配置が変わると成功率が下がる。ここが、デモ映像と実用機の差になっていると説明しました。

その目安として王氏は「80%×80%」を示しました。未知の環境の約80%で、約80%のタスクをこなせる状態です。会議室の片付けでは、散らかった部屋を元に戻す作業をロボットに行わせ、7~8種類のタスクを1つのモデルで切り替えながら処理する実験も紹介されました。言葉で物体を指定し、視覚認識と空間認識を組み合わせて取り出すデモも示しています。

「80%×80%」が示す、現場実装のハードル

王氏の話で見えてくるのは、ヒューマノイドの課題が「速く走れるか」ではなく、「現場で最後まで仕事を終えられるか」に移っていることです。特に、数cmや数mmのずれでつかみ損ねる場面は、工場や家庭のように物が毎回少しずつ違う場所で大きな壁になります。

Unitreeが2024年から自動車工場と協力し、自社工場にもロボットを入れている点も示唆的です。まずは限定した作業で試し、そこから未知環境への対応力を高める流れが現実的だと分かります。ヒューマノイドの競争は、見栄えのする動きより、現場での再現性をどこまで積み上げられるかに移っています。

Unitreeのヒューマノイドはどこで使われるのか

今回の講演内容から見ると、Unitreeのヒューマノイドは、いきなり人の代わりを広く担うというより、会議室の片付けや簡単な搬送、言葉で指示する物体の取り出しのような作業から広がっていきそうです。特に、物の種類や置き場所が毎回少し変わる現場では、AIが状況を見て動きを変える力が生きます。

ただし、王氏自身が語った通り、未知環境で80%の仕事をこなす段階はまだ先です。だからこそ、導入の議論では「何ができるか」だけでなく、「どこまで失敗を許せるか」を先に決める視点が欠かせません。ヒューマノイドは万能機ではなく、まずは小さな範囲で力を確かめる段階にあります。

Unitreeの講演は、ヒューマノイドが「動ける」段階から「現場で任せられる」段階へ進むには、まだ越えるべき壁があることを示しています。こうした流れは業界全体で進んでおり、自社の現場でどの工程から試すべきかを考える材料になります。

ロボット導入・自動化をご検討の方へ

「自社にはどんなロボットが合うのか」お悩みではありませんか。貴社の現場課題に合わせた最適な活用方法をご提案します。まずはご相談・資料請求からお気軽にどうぞ。

出典: ロボスタ