Figure 02退役で見えた、ヒューマノイドの更新・廃棄・安全検証の論点
公開日:2026年10月4日

Figure 02退役で見えた、ヒューマノイドの更新・廃棄・安全検証の論点

Figure 02退役で見えた、ヒューマノイドの更新・廃棄・安全検証の論点

3行解説

  • Figure AIがヒューマノイドFigure 02の退役を発表した。
  • 後継のF.03増加で、F.02の維持管理は合理的でなくなった。
  • 処分では知財保護と電池搭載機の受け入れ制約が課題になった。

ニュースの概要

Figure AIは2026年9月30日、ヒューマノイドロボット「Figure 02(F.02)」の退役を発表した。あわせて、映画『ターミネーター2』の溶鉱炉を思わせる映像を2026年10月1日に公式YouTubeで公開し、アーノルド・シュワルツェネッガー氏も登場した。

同社によると、F.02はBMWへの導入やAIモデル「Helix」の誕生、家事作業への挑戦、物流分野での導入など、同社の節目を担った機体だった。一方で、後継機「F.03」の保有台数が増えたことで、F.02の維持管理は合理的ではなくなったとしている。

何が新しいのか

このニュースの新しさは、単なる「旧機の引退」ではなく、ヒューマノイドの更新と処分をどう扱うかを具体的に示した点にある。Figure AIは、F.02に独自設計のアクチュエーターなど知的財産が含まれるため、第三者に渡らない形で処分する必要があったと説明した。

しかし、1台ずつ分解すると技術スタッフの工数が増え、次世代機F.04の立ち上げが遅れる懸念もあったという。そこで、溶解という方法が選ばれた。さらに、リチウムイオン電池搭載機のため、米国とメキシコの鋳造所は受け入れを断り、最終的にフィンランドの鋳造所だけが応じたとされる。

退役までの流れ
F.03増加維持判断処分方法検討溶解・記念化

GA Robotics編集部注目のポイント

注目すべきは、F.03の増加を理由にF.02の維持をやめた点です。これは、ロボット導入が「買って終わり」ではなく、台数が増えた後に旧機をどう扱うかまで含めて設計する必要があることを示しています。

また、知財を含む機体は第三者に渡せず、電池搭載機は受け入れ先も限られるため、更新時の回収・廃棄・輸送の段取りが導入コストに影響します。日本でも、実証機や量産前機を使う企業は、保守継続と更新判断の線引きを早めに決める必要があるとみられます。

日本の現場で考えると

日本の製造・物流現場では、ヒューマノイドを導入する際に、稼働性能だけでなく、更新時の回収や廃棄まで含めた運用設計が必要です。特に電池搭載機は、保管、輸送、受け入れ先の安全要件がボトルネックになりやすく、実証後の戻し先を事前に決めておく必要があります。

また、今回のように危険動作をシミュレーションで学習させ、実環境に移す流れは、日本でも有効です。ただし、工場や倉庫では通路幅、段差、人との交錯、既存設備との干渉があるため、飛び降りや高温環境のような特殊条件ではなく、現場の停止率や介入回数を基準に評価する方が現実的です。

導入・PoCで確認したいこと

  • 実環境での作業成功率
  • 1サイクルあたりの処理時間
  • 連続稼働時の介入回数
  • 危険動作の再現性と安全停止の挙動
  • 機体回収・輸送時の制約と手順

現時点で分かっていないこと

F.02の退役後に、どの機体をどの程度残すのかは本文では限定的にしか確認できません。本社保管庫に数台残るとあるものの、今後の保存方針は不明です。

また、F.02の処分や記念品化の詳細条件、日本で同様の機体を扱う場合の輸送・廃棄ルールは提供情報では確認できません。

ヒューマノイド導入では、稼働開始だけでなく更新や保守の設計も重要です。日本での現場適用を考える際は、機体の運用後まで含めて検討する視点が欠かせません。

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出典: ロボスタ