申請書類とチェックリストの列を通過して進むヒューマノイドロボットのイラスト
公開日:2026年9月1日 最終更新日:2026年9月17日
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ヒューマノイドロボットの補助金は、カタログ掲載製品でなければ使えないのか

登録制を取らない補助金の方がむしろ主流であり、そちらであればCruzr S2やWalker C1のようなヒューマノイドロボットも十分に対象となり得ます。

補助金の申請書類とヒューマノイドロボットのイメージイラスト

「対象製品リストに載っているロボットしか、補助金は出ないのですか」。ロボット導入のご相談で、最も多くいただく質問です。

結論から言えば、それは一部の制度に限った話です。2026年時点で使える補助金制度と、商談の現場で見落とされがちな注意点を、このページにまとめました。

1. 補助金には「カタログ通販型」と「注文住宅型」がある

補助金の買い方は、大きく2つに分かれます。

カタログ通販型

あらかじめ国が審査・登録した製品リストの中から選ぶ方式です。手続きが簡便な反面、リストにない製品は選べません。中小企業省力化投資補助金の〈カタログ注文型〉や、IT導入補助金がこれにあたります。

注文住宅型

何を導入するかは事業者の自由です。そのかわり「なぜその設備が必要なのか」を事業計画書で説明し、審査を受けます。省力化投資補助金の〈一般型〉、新事業進出・ものづくり補助金、中小企業成長加速化補助金などが該当します。

ヒューマノイドロボットは、現時点でカタログ注文型の登録製品リストにはほとんど載っていません。しかしそれは「補助金が使えない」ということではありません。注文住宅型を選べばよいだけです。

各社の業務フローに合わせた導入設計が前提となる設備である以上、オーダーメイド型の制度の方が本来の性質に合っています。

2. ヒューマノイド導入に使える補助金一覧

制度補助上限補助率登録製品の縛り
省力化投資補助金〈一般型〉従業員規模別・最大1億円1/2〜2/3なし
新事業進出・ものづくり補助金数千万円規模制度によるなし
中小企業成長加速化補助金5億円1/2以内なし
大規模成長投資補助金50億円1/3以下なし
省力化投資補助金〈カタログ注文型〉最大1,500万円1/2あり

本命は「省力化投資補助金〈一般型〉」

多くのお客様にとって、最も現実的な選択肢がこちらです。カタログから製品を選ぶ方式ではなく、各企業の業務フローや課題に応じた設備投資を支援するオーダーメイド型の制度です。IoT・ロボット・AIを活用した省力化設備が対象で、補助率は1/2〜2/3、従業員規模に応じて最大1億円まで補助を受けられる可能性があります。

第8回公募は2026年8月18日に公開され、申請受付は9月中旬、締切は10月中旬が予定されています。採択発表は2027年2月上旬の見込みです。

大規模投資をお考えの場合

売上高10億円以上100億円未満の企業で、拠点新設をともなう1億円以上の投資を計画されている場合は、中小企業成長加速化補助金(補助率1/2以内・上限5億円)が候補になります。第3回公募の申請受付は2026年9月29日から10月29日15時まで。ただし申請時までに「100億宣言」がポータルサイトで公表済みであることが必須です。

さらに大規模な、投資額20億円以上の工場・物流拠点の新設であれば、大規模成長投資補助金(上限50億円・補助率1/3以下)という選択肢もあります。

介護施設のお客様は別ルート

介護現場でのご導入を検討される場合、介護ロボット導入支援事業などの専用制度が存在します。ただしこちらは、製品ごとに厚生労働省の重点分野への該当確認と、都道府県での補助対象認定が必要です。審査の軸が異なるため、早い段階で自治体窓口にご確認ください。

自社の投資規模だと、どの制度が候補になるか。まずは現状をお聞かせください。 無料で相談する →

3. 現場で見落とされがちな3つの注意点

1
現地調査・PoC
効果検証・稼働データ取得
2
申請
事業計画書の提出
3
採択・交付決定
ここより前の発注はNG
4
発注・実績報告
納品後に実績を報告

補助金活用を前提にした導入プロセス

① 交付決定前に発注すると、補助対象外になります

これが最も多い失敗です。「補助金が採択されたら購入します」という考え方は正しいのですが、交付決定より前に契約(発注)した経費は補助対象になりません。採択発表を待たずに先行発注してしまうと、全額が自己負担になります。逆に言えば、順序さえ設計しておけば問題はありません。

弊社が推奨する導入プロセスは、もともとこの流れに沿っています。PoCの段階で取得した稼働データが、そのまま申請書の根拠資料になるためです。

② レンタルは原則として対象外です

補助金の多くは購入を前提としています。ファイナンス・リース取引は一部の制度で対象となりますが、短期レンタルは原則対象外です。短期レンタルによる試験導入は、意思決定の材料としては有効ですが、補助金とは切り離して検討する必要があります。

③ 賃上げ要件がセットで付いてきます

省力化投資補助金も、成長加速化補助金も、大規模成長投資補助金も、いずれも賃上げ計画の策定が要件です。たとえば省力化投資補助金〈一般型〉の第8回公募では、補助事業完了後の賃上げ目標だけでなく、設備導入の完了を待たずに行う「足下の賃上げ」も審査対象になりました。物価上昇率を上回る賃上げが見込まれない事業計画は、審査上大幅に不利になるとされています。

つまりこれは、現場担当者だけでは決められない案件です。経営層を交えた検討が前提になります。なお、単に老朽化した設備を入れ替えるだけで生産能力等が向上しない「更新投資」は、いずれの制度でも認められません。

4. 申請書は、事業者ご自身で作成する必要があります

2026年1月、改正行政書士法が施行されました。これにより、「コンサルティング」等の名目を問わず、行政書士以外の者が報酬を得て申請書類を作成することはできません。大規模成長投資補助金の第6回公募要領にも、この点に関する注意書きが追加されています。

成長投資計画書は申請者自身で作成する必要があり、申請内容への理解が著しく不足していると判断された場合、審査上大幅に不利になります。プレゼンテーション審査では経営者自身の説明が求められる場合もあります。

弊社は補助金申請の代行は行いません。そのかわり、申請書の中身となる技術的・定量的な根拠資料のご提供で伴走いたします。

5. 弊社がご提供できるもの

補助金の審査で問われるのは、「そのロボットで、どの業務が、どれだけ省力化されるのか」という一点です。弊社では、以下をご用意しています。

  • 作業工数の測定シート — 対象工程で何人が何時間かけているかを1〜2週間記録いただくためのフォーマット。事業計画の根拠になると同時に、機種選定の判断材料にもなります
  • 省力化効果の算定資料 — 導入前後の工数比較、稼働率、ROI試算
  • 正式見積書 — 型番・単価・導入経費の内訳を明示
  • 技術仕様書・稼働条件書 — 設置環境、必要インフラ、安全対策
  • PoC(実証実験)の実施 — 実機による効果検証と、そのデータ提供

補助金は値引き券ではなく、お客様ご自身が計画をもって勝ち取るものです。弊社はその伴走者として、技術面から支援いたします。

よくある質問

Q. 見積もりだけを先に取得しておくのは問題ありませんか?

問題ありません。対象外になるのは契約(発注)であり、事業計画作成のための見積もり収集は交付決定前でも進めていただけます。

Q. 短期レンタルで試験導入してから補助金を申請できますか?

レンタル自体は補助対象になりませんが、試験導入で得た稼働データを、購入時の補助金申請の根拠資料として活用できます。

Q. 老朽化した設備の入れ替えも対象になりますか?

生産能力等の向上をともなわない単純な設備更新は、いずれの制度でも対象外です。既存設備からの置き換えであっても、省力化効果を明確に説明できる計画が必要です。

Q. 申請書の作成を代行してもらえますか?

弊社は補助金申請書類の作成代行は行っておりません。技術仕様書や省力化効果の算定資料など、申請書の根拠となる資料の提供で伴走します。

まずは、対象工程を測ることから

補助金の活用をご検討であれば、公募開始を待つ必要はありません。いま着手すべきなのは、省力化したい工程の作業時間を測ることです。何人が、何時間かけているのか。この記録が1〜2週間分あるだけで、事業計画の精度も、機種選定の妥当性も大きく変わります。

本コラムは2026年8月31日時点で公開されている情報に基づいています。補助金制度は改定が頻繁に行われるため、申請にあたっては必ず各制度の最新の公募要領をご確認ください。事前公開版の公募要領・様式を用いた申請は認められない制度もあります。補助金は申請すれば必ず採択されるものではなく、採択を前提とした投資計画は避け、自己資金で実行可能な範囲でのご計画を推奨します。個別の申請可否・要件該当性の判断については、行政書士・中小企業診断士等の有資格者、または各補助金事務局へご相談ください。記載の金額・スケジュールは制度の代表的な条件を示したものであり、申請類型や企業規模により異なります。

まずは対象工程の現場調査から

補助金の対象になるかどうかより先に、どの工程がどれだけ省力化できるかを確認しませんか。作業工数の測定から、無理なく始められます。